今回のお話は、次のお話が関係あります。
1.エルニーニョ現象による風と気温の強弱を分析
2.ラニーニャ現象による風と気温の強弱を分析
3.エルニーニョ現象、ラニーニャ現象と太陽活動の関係
4.太陽活動11年周期と異常気象の関係
5.2023年、高温のエルニーニョ現象は何故起こったのか?
6.2023年、高温のエルニーニョ現象は何故起こったのか?-猛暑の夏から暖冬までの軌跡
7.2024年、猛暑のラニーニャ現象は何故起こったのか?
※これらの記事のリンクを更新しました。
今回は、2023年夏、エルニーニョ現象なのに冷夏にはならず、冬から暖冬になった理由を考えてみたいと思います。
出典:気象庁ホームページより (太平洋 旬平均海面水温)
宇宙天気予報より (現況・トレンド | 太陽黒点 | 宇宙天気予報)
※図の海水温は、月初め(上旬)の海水温です。
※図の黒点数は、月半ばから次の月半ばまでのデータです。
海水温、エルニーニョ監視速報、黒点数を見ている限りでは、次の様に変化して暖冬になったのではないかと思います。
1.2月頃まで貿易風が強く、それによって起こるラニーニャ現象が終わる。
2.3月頃から貿易風は平年並み。
3.4月頃からエルニーニョ現象が始まるが、貿易風は平年並み。
4.夏はエルニーニョ現象だったが、貿易風は平年並みで冷夏にはならなかった。
5.8月頃から貿易風が弱くなる。
6.9月以降は暖かく、そのまま暖冬になった。
これだけを見ると、貿易風の影響により暖冬になった様に思えますね。
出典:気象庁ホームページより (エルニーニョ監視速報)
貿易風が弱く、太平洋東側の海水温が高いエルニーニョ現象になっていますね。
2023年から2024年の冬は、暖冬でした。
ニュースによると、2024年の南米では平年よりも降水量が多く、洪水が起こったようです。
2019年は平年並みの冬、2021年と2022年はラニーニャ現象の冬、2023年はエルニーニョ現象の冬でした。
比較してみましょう。
2019年、2021年、2022年は海水温に偏りがあり、対流活動の強い部分と弱い部分があるので、寒気や暖気が入り易い。
2023年はエルニーニョ現象でしたが、海水温は偏りが少なくて対流活動が弱く、平年よりも大気が安定していて寒気や暖気が入り難い。
「エルニーニョ現象による風と気温の強弱を分析」や「ラニーニャ現象による風と気温の強弱を分析」でも説明したのですが、対流活動により風が吹いているので、エルニーニョ現象の時、図の様に暖気や寒気が入り難い。
また、2024年は西高東低になり難く日本へ寒気が入り難かったので、暖かかったのではないかと思っています。
2024年の海水温を見ると、図の様に全体の水温が高いので、これからが不安ですね。
海水温が高いという事は、地上の空気が温まりやすくなる。
水蒸気の量が多くなる可能性が高いので、気化した水蒸気により上昇気流が強くなる。
水蒸気は雲の元なので、雲が出来やすくなる。
雲がある地域では放射冷却が出来ずに最低気温が高くなり、雲はやがて落下してくるので大雨の原因となります。
ですので、水害に気をつけなければなりません。
いろんな例を見比べることで、何か分かるのかも知れませんので、今回の様に変わったことがあれば、ブログに書きたいと思います。
以上
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