2023年、高温のエルニーニョ現象は何故起こったのか?

2023年にエルニーニョ現象が起きたのですが、夏は高温で8月上旬になって気温が下がった地域もありました。
通常、エルニーニョ現象は冷夏になることが多いのですが、今年は暑くなりましたね。

今回は、次のお話の続きです。
1.エルニーニョ現象による風と気温の強弱を分析
2.ラニーニャ現象による風と気温の強弱を分析
3.エルニーニョ現象、ラニーニャ現象と太陽活動の関係
4.太陽活動11年周期と異常気象の関係
5.2023年、高温のエルニーニョ現象は何故起こったのか?
6.2023年、高温のエルニーニョ現象は何故起こったのか?-猛暑の夏から暖冬までの軌跡
7.2024年、猛暑のラニーニャ現象は何故起こったのか?
※これらの記事のリンクを更新しました。


冷夏の例として、2019年のエルニーニョ現象は冷夏だったのですが、2019年は太陽活動が静寂で黒点数が少なく、図の様に太平洋高気圧は弱く、オホーツク海高気圧があり、北風(北から南へ吹く風)により寒気が流れ込む事により涼しくなっていました。
ですので、エルニーニョ現象の年は前線が北上し難く、梅雨入り、梅雨明けが遅れます。

では、何故2023年は冷夏にならず、高温になったのでしょうか?


まず、図の太陽活動を見ると、2023年は25周期にあたるサイクルであり、黒点数が増えていて太陽活動が活発な状態です。
このペースで考えると、2023年も太陽活動が活発になることが予想され、暑くなる可能性があります。

図の太陽活動は年単位なので、これを日単位で見てみましょう。


※検証中なので、間違っている可能性があります。

日単位の太陽活動を見る前に、どういうものかを説明しますと、黒点が増えるときに気温が上昇し、黒点が減少するときに気温が低下している可能性があると思っています。
プロトン現象が起こると非常に暑くなるような気がしますね。(^^;


出典:気象庁ホームページより (太平洋 旬平均海面水温
宇宙天気予報より (現況・トレンド | 太陽黒点 | 宇宙天気予報
※図の海水温は、月初め(上旬)の海水温です。
※図の黒点数は、月半ばから次の月半ばまでのデータです。

日単位で見ると、一番右の「Sunspot Number(黒点数)」を見ると、図の様に増減しています。

太陽黒点数の見方はまだよく理解していませんのでうまく説明できませんが、海水温は熱し難く冷め難いので、時間差で海水温が変化するのかも知れないと思っています。
黒点数の波が大きい場合にエルニーニョ現象が起こっているように見え、黒点数の波が安定しているときはラニーニャ現象が起こっているような気がしますね。
※勘です。

3月から貿易風が平年並みになりました。

太平洋西部を見ると、6月、7月、8月の海水温は平年並みなのですが、エルニーニョ現象に突入しています。
太平洋東部を見ると、6月、7月、8月の海水温は平年より高い。

海水温全体が暖かい理由を考えますと、海水は熱し難く冷め難いので、断続的に黒点数が上昇することで、海水温が下がりにくかったのかと思います。


温暖化の影響と太陽活動の影響により海水温が高い場合、海上では水蒸気量が多く、水蒸気はフェーン現象により暖かい空気が図の様に流れていきます。
これにより、地上の気温が高くなります。


図の中から赤い丸で囲っている年、2009年7月(太陽活動弱)、2015年7月(太陽活動強)、2019年7月(太陽活動弱)、2023年7月(太陽活動強)の海水温を比較して見ましょう。


2023-08-46.png
図の様に2009年、2015年、2019年、2023年の海水温を比較すると、2023年は海水温が非常に高いんですね。
これまでも何度も言ってきたのですが、これが雨の原因になっていると思います。


出典:気象庁ホームページより (過去の天気図
出典:気象庁ホームページより (日別海面水温

図の様に、7月13日の天気図を見ると、太平洋高気圧から赤い矢印が示すように南から暖気が流れていた可能性が高く、海水温は平年よりも非常に高かったので、赤い矢印付近では35度ぐらいの日が続いていましたね。
オレンジ色のライン付近に、太陽が垂直に当たる場所があると思います。

8月14日は、青い丸で囲っている部分に台風が長期で滞在していましたので、台風下の海水温が下がっていることが分かります。
黄色い丸で囲っている東北では、海水温が非常に高く暑そうです。
天気予報には40度と書いてあった覚えがあります。
8月14日の天気図を見ると、台風の東側では台風と太平洋高気圧から図の赤い矢印が示すように暖気が入ってきたからか、東北の気温が高かった。
九州へは北から寒気が入ってきた可能性があり、気温が低かった(31度前後)と思います。

8月下旬になると、どこも暑くなりましたね。


図をよく見てみると、太平洋上の赤道東側では平年より高い海水温でエルニーニョ現象が起こっていますが、太平洋上の赤道西側では平年並みの海水温で、貿易風は平年並み、日本では梅雨入りは平年並み、梅雨明けが遅かった。
ですので、日本付近は平年に起こる現象が起き、太平洋高気圧が強かったので冷夏にならなかった可能性が高く、インド洋や太平洋の東ではエルニーニョ現象が起こっていたのかも知れません。


データを見ると、対流圏下層の東風と対流圏上層西風は平年に近い値を示し、対流活動は活発。
海水温が示すような状態になっていますね。

平年よりも対流活動が強い理由として、次のことが挙げられます。
1.海水温が高いので、空気よりも軽い水蒸気により上昇気流が強くなる。
2.水蒸気の量が多いと雲が出来やすく、雲の下では気圧が下がりやすい。
3.気圧差(気圧は周囲の気圧差により、高気圧か低気圧かか決まる)による上昇気流が強い。

この様にデータを集めてみると、何故エルニーニョ現象になったのかな?と疑問に思いつつ、ハッキリとしたことは分かりませんが、なんとなく暑くなりそうなそんな気がします。(^^;

近年は海水温が非常に高く、大雨が降り、蒸し暑いわけです。

勿論、これらは私の推論なので、間違いが含まれているかも知れません。

以上