船が海に浮く時のバランス計算

今回は、船が海に浮く時のバランス計算について考えたいと思います。

前回も説明したのですが、私のブログは大人向けの内容ですので、教科書に書かれている内容とは異なっている可能性があります。

学校でテストをする場合、教科書から学ばなければ点数を取れません。(^^;

また、今回のお話は、あくまでも静止している船のバランス計算です。
船に推進力が働いている場合、波と船の関係上前方が浮いたりすることがあるかも知れないので、止まっている船と進んでいる船は別物と思った方がいいと思います。

次の記事は、今回のお話に関連するお話です。
1.だるまが起き上がる仕組みを分析
2.コマが倒れるまでを分析
3.自転車がバランスよく進む仕組みを分析

今回は、次の物理法則に関する概念を加えたいと思います。
4.質量中心と浮心、幾何中心について
5.船が海に浮く時のバランス計算
6.重心と質量中心、浮心について

通常、浮心、重心、メタセンターにより復元力が働くと説明するのですが、今回は私が解明したいと思います。(^^)


図の様に、ひもにおもりを付けてぶら下げたとします。
ひもは、図の位置でおもりが落下しないように固定しています。


ぶら下がっているおもりを図の様に傾けます。
固定されたところから真っ直ぐに線を引くと、重心は右側に偏っていますね?


すると、左側へおもりは移動しようとします。
そして、だんだんと勢いが衰えていきます。


ずいぶん前に作った記事で、棒を使ったバランス計算を説明しました。

図の棒は接点から落下することが出来ません。
接点から縦に線を引くと、重心が左側に偏っていることが分かります。

棒は、青色で示すように倒れます。


だるまの場合、図の様にだるまの角度が変わると接点の場所が楕円状に変わります。
傾いているだるまは、各角度において重心が左側にありますから、青い矢印が示す方へ回転します。
すると、だるまは起き上がろうとします。


では、船はどうかというと、海上では浮力と重さが釣り合っている場所は水面です。

私は、水面から傾くと思うんですね。


なぜかというと、海中は空気による浮力がはたらき上昇していて、海上では物体の重さにより下降しているから、上昇も下降も出来ない、つまり上下運動において固定されているような状態に近くなります。
赤いラインの部分は、おもりでいうところの固定されている場所であり、棒やだるまで言うところの接点に当たります、

つまり、ここから物体が回転する可能性が高いと思います。

この赤いラインは重さと浮力が拮抗しているので、私はこの中心辺りから重心が偏っている方へ船は傾くのではないかと思っています。


例えば、重心を低くした船を作ったとします。
船室の影響で、重心は船の中央より後ろへ偏ります。

図の様に、船を水平に水の上に浮かせるとします。
水面部分は赤色の線で示す部分、赤い線の中央は緑色で縦に線を引いています。
オレンジ色の線は船の中心。

図の例では、緑色のラインより右側に重心があるので、重心は水色の矢印で示す方へ落下しようとします。

すると、図右の様に傾きます。


傾いた船に対し、船の重さと浮力が拮抗する部分に赤色で線を引き、赤色の線の中央から縦に緑色で線を引くと、重心は真下になり、重心は下を向いているので傾かずに船は安定します。


次は、この船を前から見てみましょう。
拮抗している部分に赤色で線を引き、拮抗している部分の中心から縦に緑色で線を引くと、重心は真下にあるので傾かずに安定していることが分かります。




例えば、重心が低い船に図のような力が掛かり、船が傾いたとします。
すると、重心は右側に移動します。

重心は下へ落ちていこうとするので、水色の矢印で示す力が働き、時計回りに回転して船体を立て直そうとします。


これを横から見てみると、図の様になります。
0度、90度、180度の角度で船の状態を確認してみると、船は水平な状態から少し時計回りに回転した後、安定しそうですね。




重心が船の中央部にあり、船へ図のような力が掛かっていたとします。
重心は図の様に右側へ移動しているので、船は時計回りに傾こうとします。

船に掛かる力と倒れる方向は逆なので、船は元に戻ります。


これを横から見てみると、図の様になります。
どこで安定するか分かりませんね。




では、重心が高い船の場合、どのようになるか見てみましょう。

図の様に、重心は中央より高い位置にあるので、重心は左右どちらへも傾きにくい状態の様に思えます。
そのため、船に掛かる力に逆らえず、船は回転して横転しそうです。

船体が横を向いた場合、重心はやや右側に出ているので、水色の矢印が示す方へ時計回りに回転しそうですね。


この高さに重心がある船は、横から見たら分かると思いますが、正常に航行できるとは思えません。




重心を更に高い位置にすると、船に働く力と重心に働く力が同じ方向になります。
つまり、転覆しやすい船ということです。

図の様に、船体の上下が逆さまになったとき、重心は緑色の矢印上にあるので安定します。


この高さの船も、横から見たら分かると思いますが、正常に航行できそうではありません。
上下が逆さまになった状態で、船が安定しそうに思えます。



これらの例や波を考慮すると、船は水面より重心を低くし、重心をなるべく船の中央にすることで、横転や転覆し難い船になると思います。


ちなみに、例えば船の後部を重くした場合、重心は後方寄りになります。
すると、図左の様に重心は緑色のラインよりも右側にあるので、船は時計回りに回転しようとします。

そして、図右のような状態になり安定します。
後部を重くすると、前方が上がるんですね。

今回は、面白い船の計算でした。(^^;

今回も自分で計算した内容なので、間違いがあるかも知れません。

参考程度にお読みください

以上